91歳名匠ブロムシュテット×N響×マーラーのなんとも贅沢な饗宴に酔いしれる時間
10月19 日、20 日、NHK交響楽団C定期公演に行ってきました。
指揮ヘルベルト・ブロムシュテット
演目 ハイドン交響曲 第104番ニ長調
マーラー交響曲 第1番ニ長調「巨人」
娘がお仕事させていただくコンサートには
なるべくたくさん足を運びたいと思っています。
小さいころから、ちっちゃなヴァイオリンを提げて、
いつもいつも一緒に演奏会場に向かっていたなあ・・
そんなことを思い出しながら、
今はプロらしく「じゃあね!」と
楽屋入りする娘を見送り、
お客様として会場入りできる幸せをかみしめる瞬間です。
娘があの巨匠ブロムシュテットのもとで
弾かせてもらえる日が来るなんて、
さすがに想像もしていなかった…!
なんど味わっても幸せでわくわくする時間。
親にとって、子供の成長はいつまでも嬉しいし、
いつのときも心配半分。
今回は、息子と待ち合わせして、一緒に演奏を聴きました♬
息子が20歳代の間に、ぜひとも巨匠の
演奏を聴かせておいてあげたかったので、
今回はチケットプレゼント💛
お誘いしたらついて来てくれるなんて、
今どき男子は優しいのか、
ちゃっかりしてるだけなのか?(笑)
一人だとめったに行かないホワイエで
まずはコーヒーとドーナツで腹ごしらえ。
息子はコンサート前にしっかりホームページをチェックして勉強していたらしく、
プログラムの内容はしっかり熟知してました💦
こういうコンサートの準備もありだな・・と内心反省しつつも勉強になりました。
今回最大級の期待をして臨んだマーラー
そんな期待を遥かに超える素晴らしい演奏でした。
91歳という年齢にはとうてい思えない無駄がなく知的な指揮姿。
たくさんの積み重ねられた経験とお人柄があふれ出る音楽に涙が出ました。
マーラーの第1番は大好きな曲の一つでしたが、こんなにも細部までたくさんの意味がこめられた曲だったのですね。
楽章ごとというより、
細かいフェーズが神的につながっていて
七変化のように景色が変わります。
「生と死」が交代で、微妙なふり幅で押し合いをしているような(個人的な感想です)
全楽章細部まで、うっとりと耳を傾けてしまいました。
そして最終楽章(終曲)では、
これまでの楽章で表現されていた喜怒哀楽の揺れ
(っていう言葉はいささか東洋的かもしれませんが)
そういう人としての個人的な感情みたいなものを超えて
圧倒的な「生命の喜び」が溢れる、自然と暖かい気持ちと涙がこみあげて来るような素晴らしさでした。
個人的には、昨年母と大切な友人の二人をこの世から見送ってのち、感情がブロックされたみたいに感じて過ごしていました。
今回初めて「生きていることは、それだけで素晴らしい喜び」と
最終楽章で強い思いがこみあげてきて
涙が出そうになりました。
心の中の氷が解け始めた瞬間だったと思います。
あまりにも素晴らしかったので、翌日も当日券でひとりで聴きに行ってきました😊
さすがに巨匠の指揮が素晴らしいと思ったのは、
2日とも同じような気持ちの盛り上がりを感じたことです。
良い芸術とはなんぞや?って、時々考えます。
人が生きていくエネルギーをくれる作品のこと
今はそうな風に思っています。
今回のN響定期Cプログラムは、
NHKの『クラシック音楽観』で、11月11日(日)夜21時より放送させる予定です。
再びあの感動に出会えるのことを、とても楽しみにしています。
今日も読んでくださって、ありがとうございました。
それでは、また!